2018年に人気の高まる小売業のテクノロジーとマーケティング・トレンド

https://www.forbes.com/sites/veronikasonsev/2018/01/22/retail-technology-and-marketing-trends-on-the-rise-for-2018/#6981d45364c0

先週、小売産業がNRF・ビッグ・ショーのためにニューヨーク市に一堂に集まった。この会合では、最新の小売業のトレンドと仲間同士のネットワークについて学ぶため、3万5千以上の小売業のプロが世界中から集まった。税制改正により期待される増益についての話題にあふれていた一方で、私は2018年を支配すると予想されるテクノロジーとマーケティング・トレンドにより興味を惹かれた。私は最近、先導的なベンチャーキャピタルに、小売業の将来についての見方を尋ねたこともあり、小売業の視点を理解するためにNRF・ビッグ・ショーを利用することにした。

 

NRF・ファウンデーション・ガラとビッグ・ショーの間に、私は7社の小売業者の役員にインタビューを行い、2018年に刺激を受けるであろうことについて学んだ。以下のものは、彼らが動いている点である。

 

1)小売業者は個人化されたデジタル体験をより多く用いて、励み続ける。

メイシーズの執行役員であるテリー・ランドグレンや、ニールマン・マルカス・グループの社長兼CEOであるカレン・カッツ、ザ・チルドレンズ・プレイスのCEOであるジェーン・エルファーズは、2018年に個人化が大きな焦点となるということを明確にした。

 

ランドグレンによると、メイシーズは個人化に注力し続け、「個人化の全体的な観念は、たった今、純粋に強化されている。これは結局その時その時の顧客のことを指す。我々は消費者と直接つながるためには、なんでもしているし、買い物を便利にしている。」

 

小売業者は何年も個人化の改良に努めてきたが、カッツは、それはすべて顧客体験となる、と信じている。「2018年の素晴らしい顧客体験は、テクノロジーとさらなる個人化の手法が合わさることで生まれるだろう。テクノロジーで強化された個人化と人間とをつなげる人々こそ勝者となるだろう。」

 

2)オンラインと物理的な店舗経験をつなげることが大きな焦点となる。

メイシーズやザ・チルドレンズ・プレイスのような業者は「オムニチャンネル小売」に熱心である。この言葉は、小売業者がどのようにオンラインとオフラインの買い物行動をつなげるかということを示すのに使われる。ランドグレンによると、メイシーズは「オンラインで購入・店舗で受け渡し(BOPUS)」の分野での重要な成長を確認し続けている。彼曰く、「実店舗はなくなったりしない。顧客は常に店舗に来てジーンズを試着する選択肢をほしがるだろう。オンラインで異なるサイズの3つのジーンズを購入する代わりに。」

 

ザ・チルドレンズ・プレイスもまた「デジタルへの大きな動きとBOPUSや『セーブ・ザ・セール』のようなオムニチャンネル使用の例を多く用いている」と、エルファーズは付け加えた。「セーブ・ザ・セール」によって、店員は店舗のネットワーク内のリアル・タイムの在庫情報を得ることができる。この在庫取得で、店員は顧客が購入の機会から逃げていくのを避けることができるのだ。なぜなら、簡単に望みの商品をオンラインあるいは他の店で見つけることができるからである。

 

3)より多くの小売業者はアマゾン・アレクサ、グーグル・ホームなどの他の音声アシスタントを活用するだろう。

 

サムソナイトのグローバル・チーフ・イーコマース・オフィサーである、チャーリー・コールは音声アシスタントは、ある特定の分野においては活躍し始めているという。「例えば、消費財のような分野においては、音声において活躍し始めているが、ファッションのような分野では苦労しているようだ。」コールが雄弁に示すように、「誰も『ねえ、グーグル(あるいはアレクサ)、私に1200ドルのカシミアセーターを注文して。』とは言わないだろう。」

 

1-800-フラワーズ・コムはしばらく、音声について強気であった。なぜなら、この会社がアレクサのような技術を開始した小売業者の一つであったからだ。CEO兼社長のクリス・マクキャンは、ロボットや人工知能の可能性(ビッグ・データやディープ・ラーニング、ディーパー・アナリティクスに基づいたすべてのもの)によって、1-800-フラワーズ・コムが個人化体験を満たすであろうと信じている。「音声が主なインターフェイスとして台頭してくることで、本当の一対一の関係を提供していた我々の最初の生花店の小売体験へ戻ることになると私は思う。音声によって、我々は顧客と大規模で一対一の関係性が可能になるだろう。」

 

 

4)人工知能が成熟するにつれて、人工知能によって強化された多くの小売向けアプリが適応してくるだろう。

 

コールによると、2018年は「人工知能が大きな進歩を遂げる年であり、より多くの小売業者が小売と電子取引の様々な部門を強化するためにそれを使い始める年」である。

 

カッツは、ニールマン・マルカスが高度に個人化した体験を提供するためにどのように人工知能を活用するのか説明した。彼によれば、それは人間との接触においてのみである。1-800-フラワーズ・コムが人工知能をアレクサやグーグル・アシスタント、フェイスブックのメッセンジャーのように会話のインターフェイスとして強化するために使用するが、それらの内多くは人間との接触を全く必要としない。マクキャンにとっては、「我々の仕事は花を注文しやすくすることであり、我々は顧客がどこにいても、そうであるように務められる。もし音声を使えば、我々はそのようになれる。もし(フェイスブックの)メッセンジャーを使えばそのようになれる。」

 

5)個人化、ソーシャルメディアやアマゾン・マーケティング・サービスは、2018年のアクイジション(獲得)・マーケティング戦略で、最大の稼ぎ頭となる。

 

ビージェーズとザ・チルドレンズ・プレイスは個人化されたマーケティング戦略の重要性を強調する。ビージェーズのCEOであるクリス・ボールドウィンは、「我々は会員制なので、顧客が買うものについての大量の情報をもち、目標を定めるのに使用することができる」と説明した。エルファーズの新たな個人化戦略は2017年に彼女がデータに関する科学者に顧客のデータベースを片付けるよう委託した頃に始まった。今や、ザ・チルドレンズ・プレイスは顧客がオンラインで買ったものと店舗で買ったものをつなげることができ、「(顧客の)獲得や契約、保持の戦略をより個人化することができる」とエルファーズは明言した。

 

ペトコのCEOであるブラッド・ウェストンにとって、ソーシャルメディアはマーケティングの最優先事項となっている。なぜなら、人々は純粋にペットについての投稿を共有したり、「いいね!」することが大好きだからである。かたや、(サムソナイトの)コール曰く、「アマゾン・マーケティングはブランドのマーケティング戦略にとって、グーグルやフェイスブックと同様に不可欠なものとなるだろう。今日、アマゾンは、2005年のグーグル・ペイド・サーチのような潜在能力と、2002年のディスプレイ広告のような潜在能力に似た、投資収益率をもつ。」

 

 

小売業者はまだアマゾンに追いつくために努力しなけれなならないたくさんの仕事がある一方で、私が話した役員達は2018年のテクノロジー、データ、人工知能の実施に自信があり、熱心なように見えた。私は、彼らが提供すると約束した、新しい小売業の革新と、素晴らしい顧客経験を新年の楽しみにしたい。